「素数」の約束
「素数」について書きたいことがたくさんある。ありすぎてまとまらない。けれどストックしたいから、分割しながらテンポ良く書き進めたいと思う。
「素数」とは何か
全ての整数は、掛け算の形で書き表すことができる。
たとえば「12」と「35」について考える。
12=2×2×3
35=5×7
それぞれ、もとの数より小さい数の掛け算で表せる。
ところが、そうでない数字もある。
たとえば、「13」と「37」について考える。
13=1×13
37=1×37
これらは「1」と「もとの数」の掛け算でしか表せない。
これが「素数」である。素数が神秘的かつ魅力的な理由は、ふたつあると思う。
「素数」は予測できない
2、3、5、…と素数を見つけていく。初めは順調である。二桁くらいまでは確認することもできなくはない。
それでも、九九にない数字はやや難しい。「91」は、一見すると素数に見えるが、「91=7×13」であり、素数ではない。
三桁の数に突入すると、101、103、107、109と「四つ子素数」と呼ばれる連続の素数が私を興奮させたかと思えば、113の後は127まで沈黙が続いたりもする。
どの数が「素数」になるかを求める法則がないのだ。
今はコンピュータで想像もできないほどの大きさの素数が見つかっているが、昔はもちろん手で計算されていた。計算しては「素数一覧表」なるものが出回り、それをみた数学者または村人(数字愛好家)が表の誤りを指摘する、という光景があったのだろう。
A:「つ、ついに素数表ができた」
B:「ここに10,403とあるが、これは101×103で表せるではないか」
A:「ひえぇ」
そんな、大きくなるほど発見が難しい「素数」との、唯一の約束が次である。
「素数」は永遠に存在する
「素数」は永遠に存在する。
発見が予測できないのに、無限に発見されることは2500年以上も前から約束されている。そして、その証明は文庫本1ページ分くらいの紙に収まる文量である。なんとシンプル。
まとめ
・素数は「1」と「その数」の掛け算でしか表せない数のこと
・素数は「予測できない」が、「永遠に存在すること」は約束されている
これから素数のことについて書くとき、毎回この記事を一番上に載せよう。
次は、「素数の日」について。